国内で最も使われている低用量ピル

日本で最も使われている低用量ピルは「トリキュラー」です。
トリキュラーには21錠のものと28錠のものがありますが、多く使われているのは28錠のタイプです。

ちなみに、21錠と28錠で、特に効果が変わるわけではありません。
28錠は毎日飲む習慣をつけるため、最後の7錠が偽薬として入っています。
慣れてくれば、21錠の方が携帯には便利です。

「トリキュラー28」は、紙のパッケージに入っています。
それを開けると錠剤が入っており、さらにシールがついています。

このシールには曜日が書かれており、上に貼っておくことで、どの日にどの錠剤を飲むのかが分かるようになっています。
たとえば火曜日から飲み始める場合は、火曜日から始まっているシールを貼ることになります。

また、どの低用量ピルにも使用説明書が入っていますから、必ずそれにも目を通しておくようにしましょう。

初めて低用量ピルを服用すると、2?3周期にかけて不正出血することがあります。
しかし、これは継続して飲み続けることでなくなっていくので、そこまで気にしなくても大丈夫です。

継続的にピルを服用していると、生理の周期がきっちり28日間で訪れるようになります。
そのため、旅行やイベントに合わせて生理の時期をずらすことが可能になります。
できれば生理が来て欲しくないという日があれば、うまく活用しましょう。

また、低用量ピルを服用している間は妊娠の心配はありませんが、服用をやめれば、また妊娠できるようになります。

低用量ピルの服用の仕方について

低用量ピルは日本ではまだ広く認知されていないため、正しい服用の仕方をご存知の方は少ないかもしれません。

低用量ピルの始め方には、2種類の方法があります。
ひとつが「Day1スタート」と呼ばれるやり方で、生理の1日目から飲み始めるという方法です。

もうひとつが「サンデースタート」というやり方で、こちらは生理開始後の最初の日曜日から服用を始めます。

サンデースタートだと、生理が週末と重ならなくなるというメリットがあります。
しかし、低用量ピルを始めた最初の1週間は他の避妊方法が必要となります。

また、低用量ピルには21錠タイプのものと、28錠タイプのものがあります。
2種類の違いは、飲み方にあります。

21錠タイプのものは、全部を飲み終えたらその後の7日間はお休みします。
そして、休薬期間が過ぎたらまた次のシートを服用し始めます。

一方、28錠タイプのものは最後の7錠が偽薬となっています。
これは低用量ピルを飲むという習慣を忘れないようにするために入っているものです。
そのため、28錠すべて飲んだら間をおかずに次のシートの服用を始めます。

低用量ピルを飲むべき時間帯は特に決まってはいませんが、できれば同じ時間に飲むことをお勧めします。
その方が飲み忘れがなくなるためです。

もし、ピルを服用し忘れたことに気づいたらその時点ですぐに1錠を飲み、さらにいつも飲んでいる時間帯に当日分の1錠を飲むようにします。
そのため、その日は2錠を飲むことになります。

もし、3日以上飲み忘れてしまったという場合は服用を中止し、次の生理が始まったら再び服用を開始します。

低用量ピルに関する思い込み

低用量ピルは世界的にはだいぶ認知されてきましたが、まだまだ国内では知名度が低いといわざるを得ません。
そのため、誤った思い込みをしている人も多いかもしれません。

低用量ピルは、さまざまな効果をもたらしてくれます。
中には女性の悩みを解消してくれる効果もあります。

低用量ピルを服用していると、太ってしまう。
そのような話を聞いたことがある人もいるかもしれません。
しかし、国内で行われた臨床試験では、ほとんどの人がプラスマイナス2キロ程度の増減しかありませんでした。
そのため、低用量ピルの服用は体重の増減には関係がないといえます。

なぜこのような噂が立つようになったかというと、昔のピルは含まれているホルモンの量が多く、それにより太ることがあったためです。
現在ではそのようなことはなくなっているため、服用しても太る心配はありません。

また、低用量ピルを服用すると生理痛が楽になるという話があります。
実際のところ、生理痛が楽になるという声は多く聞かれます。
これは低用量ピルによりホルモンのバランスが整えられるためです。

そのため、生理中の出血量が減ったり、痛みが軽くなったりということがよくあります。
毎月生理痛が重くて苦しんでいる人にとっても、低用量ピルは大きな助けになるといっていいでしょう。

低用量ピルというと、自分には関係がない特別なものといったイメージがあるかもしれません。
しかし、さまざまな治療にも用いられており、避妊だけでなく、いろいろな恩恵があるということを知っておくといいでしょう。

低用量ピルに含まれている女性ホルモン

経口避妊薬として使用されている低用量ピルには、人工的に配合された2種類の女性ホルモンが含まれています。

そのひとつが、エストロゲンです。
エストロゲンは、生理になってから排卵直前までのおよそ12日間に多く分泌されるホルモンです。
子宮の中に血液を集めたり、卵子の成熟を促したりする効果があります。

もうひとつが、プロゲステロンです。
こちらは生理後半の2週間に多く分泌されるホルモンで、子宮の中組織を成熟させたり、体温を上昇させたりする効果があります。
しかし、実際に低用量ピルに含まれているものは、本来のホルモンの構造と比べると分子の構造が異なります。

そのため、もともと体内にあるホルモンと同じような働きをしつつも、別な働きをすることがあります。
この別な働きが、副作用というわけです。
分子構造が異なるため、もともとの目的と違う効果があったり、場合によっては逆の効果があったりします。

そして、人工の女性ホルモンは、身体にとっては異物と判断されるため、うまく排出できない場合もあります。
ただ、このようなことは低用量ピルに限らず、さまざまな薬物にも共通していることです。
分子構造がわずかでも異なれば、人間の身体に大きな影響を与えることは少なくありません。

低用量ピルの服用によって考えられるリスクを避けるには、正しい服用を心がけることが不可欠です。
決して自己判断で用法、用量を変えたりせず、必ず医師の指導に従いましょう。

静脈血栓症発症への対策

低用量ピルの服用は避妊効果だけでなく、副作用のリスクも可能性は低いものの否定はできません。
女性特有の悩みに有効な場合も多く、多くの女性が利用していますが、メリットだけでなくリスクがあることも否めません。

そのリスクの筆頭に挙げられるのが、静脈血栓症です。
低用量ピルを服用する際は、メリットとリスクについて十分に考える必要があります。
それらを十分に考慮した上で服用を希望する場合は、以下のことについてしっかりと考えておくといいでしょう。

まず、静脈血栓症の症状について、具体的に知っておきましょう。
どのような症状かが分かっていれば、異常を感じた際にすぐに医師に診てもらおうと考えるはずです。
静脈血栓症は早期に気づいて治療を受ければ重症化しないことが多いため、「もしかして」と思う節があったときには躊躇せず直ちに医師の診断を仰ぎましょう。

血栓症は、ふくらはぎのあたりが突然痛む、胸に押しつぶされるような痛みがあるといったものの他、激しい頭痛、舌のもつれ、目が見えにくくなるといった症状が現れます。
低用量ピルの服用中にこのような症状が見られたときには服用を中止し、すぐに受診しましょう。

また、患者携帯カードを常に持っておくこともお勧めします。
低用量ピルを服用していることを医師に伝えられれば、早期の診断につながります。
症状によっては自分の口からうまく伝えることができないことも考えられますので、あらかじめカードを携帯しておくのがいいでしょう。

低用量ピルの静脈血栓症のリスクについて

月経困難症や子宮内膜症の治療に有効として、多くの人に用いられている低用量ピル。
ひどかった生理痛が軽くなったという声も多く、さまざまな女性の悩みに有効なため、重宝されています。

しかし、この低用量ピルには、副作用として静脈血栓症のリスクがあることも留意しておく必要があります。
生理痛に対する治療に使われていた低用量ピル、ヤーズ配合錠で死亡者が出た事例が報告されました。
確率としてはごくわずかな数字ですが、こういう事実があるということは知っておかなければならないでしょう。

低用量ピルによる血栓症発症のリスクが高まるのは、以下のような人です。

まず、毎日15本以上のタバコを吸う人。
喫煙は静脈血栓症のリスクを高めてしまいます。

そして40歳以上の人。
高年齢であることもまた、リスクを高めます。

以上の人は「相対的禁忌」と呼ばれ、十分な注意を払えば利用自体は可能です。
しかし、35歳以上で、なおかつ1日15本以上のタバコを吸う人は、低用量ピルを使ってはいけません。
これは「絶対的禁忌」と呼ばれ、利用自体が禁止されています。

その他にも、軽い高血圧の人や、肝障害、心疾患、腎疾患などがある人も相対的禁忌とされ、服用には注意が必要です。

また、血栓症のリスクが高まるのは、低用量ピルを服用しはじめてからの数ヶ月間であると言われています。
そのため、症状にあわせて中断したり、しばらくしてから再開したりということは、リスクの面からお勧めできません。

医師の指導を守って正しく服用すれば有用なものも、間違った方法で使用すれば思わぬトラブルを招くことがあることを十分に理解しておきましょう。

低用量ピルの服用による静脈血栓症のリスク

さまざまな効果があるため、いろいろな治療にも使われることがある低用量ピル。
避妊のイメージが強いかもしれませんが、月経困難症や子宮内膜症の治療にも使われています。
そのため、国内で低用量ピルを服用する人の数も徐々に増えてきています。

しかし、低用量ピルの副作用のひとつである静脈血栓症により、国内で死亡者が出ました。
この報道により、服用するのを止めようと考えた人も多いのではないでしょうか。

カナダ産婦人科学会の報告によると、低用量ピルを服用している人が静脈血栓症により死亡する確率は、10万人あたりに1人以下とされています。
これはもともとの静脈血栓症発症による致死率が1%ということもあり、非常に小さい数字といえます。
ただし、誰にとっても安全に使えるというものでもありません。

たとえば、普段から喫煙をしている方、または高年齢者や肥満度が高い方は静脈血栓症のリスクが高まるといわれています。
低用量ピルの服用を希望する場合は処方している産婦人科を受診し、問診等の結果、医師が服用できると判断すれば処方してもらえます。
しかし、服用によるリスクが高いと思われる場合には処方されないケースもあることを理解しておきましょう。

低用量ピルの服用にはさまざまなメリットがあります。
しかし、静脈血栓症というリスクがあることも確かです。
発症の確率はかなり低いものの、発症すれば重篤化することもあります。

もしも激しい腹痛や胸痛、頭痛などにみまわれたり、舌がもつれたり、視界が狭くなったりといった症状が現れたときには、直ちに医療機関を受診しましょう。
静脈血栓症を重症化させないためには、早期の治療が最も重要です。

低用量ピルによるガンのリスク

確実に避妊ができるということで、国内でも徐々に市民権を持ち始めている低用量ピル。
コンドームと比較しても避妊の成功率が高く、また女性が主体的に選択できることから、服用する人も増えてきています。

低用量ピルを服用する際にしっかりと頭に入れておきたいのが、そのリスクについてです。

まず、多くの人が考えるのが、乳ガンの発生リスクについてでしょう。
服用によってリスクが高まると心配している人も多いかもしれません。
特に家系で乳ガンの人が多い場合は、服用を避けているという人もいることでしょう。

しかし、意外に思われるかもしれませんが、低用量ピルによる乳ガン発生リスクの増加は認められていません。
これは2005年改訂の日本産科婦人科学会の報告によるものです。
ただし、まったく因果関係がないともいえませんので、定期的な乳ガン検診は必ず受けることをお勧めします。

そしてもうひとつが、子宮ガン発生のリスクです。
こちらは低用量ピルを10年以上の長期にわたって服用すると、リスクが増加するという報告があります。
5年未満であればほとんどリスクの増加は見られませんが、10年後には2倍程度まで増加すると言われています。
そのため、子宮頸ガンのスクリーニング検査も定期的に受けておいた方が安心です。

低用量ピルには、避妊以外にもさまざまな効果があります。
不正出血の頻度が減ったり、生理痛が軽くなるといったこともあります。
リスクとメリットをしっかりと見極めてから服用することが大切です。

低用量ピルを服用する際の注意

数ある避妊方法のひとつとして用いられている低用量ピルは、国内でも徐々にですが普及が進んでいます。

低用量ピルは避妊に効果があるだけでなく、その他にもさまざまな副効果があります。
女性ホルモンが配合されているためホルモンバランスを整える働きがあり、月経困難症の治療に使われることもあります。

しかし、低用量ピルは服用する際に注意しておきたいこともあります。
中でも特に注意しておきたいのが、低用量ピルには副作用として、血栓症を引き起こす可能性があるということです。

低用量ピルに配合されているエストロゲンが肝臓で代謝されると、血液を固めようとする働きが強化されます。
それによって血栓が肺や脳の血管に詰まり、場合によっては死に至ってしまうこともあります。

血栓症の兆候としてみられるのは、頭痛がひどくなったり、目が見えづらくなったり、ふくらはぎがむくんだり、痛んだりするといったものです。
このような兆候が見られたら、すぐに医師の判断を仰ぎましょう。

血栓症は、早期に発見されれば十分に対処できます。
気づかずに医師に診てもらうのが遅れてしまうと、重症化するので十分な注意が必要です。

正しい用法で服用し、きちんとした使い方を知っていれば、低用量ピルによる副作用はかなり小さなものです。
たとえば、抗ガン剤治療の際にも血栓症が起こることがありますが、これと比べれば低用量ピルによる血栓症はごくわずかなものです。
リスクを最小限に抑えるには、医師の指導の下で正しく使うことが大切です。

 

女性のお肌のために

にきび治療にも用いられる低用量ピル

みなさんはピルと聞くと、どのようなイメージを持っているでしょうか。
やはり最も多いのが、経口避妊薬としてのイメージだと思われます。
ピルは国内では特別なものという認識がまだ強く、一般的に普及しているとは言いがたい状況です。

そんなピルですが、実はにきびの治療にも用いられています。
使われるのはピルの中でも低用量ピルと呼ばれるもので、一般的には「マーベロン」「ファボワール」「ヤーズ」といった製品が使われています。

10代の女性だと、まだまだホルモンバランスが整っていない人も多く、それがにきびや肌荒れなどを招くことがあります。
また、20代になっても、仕事上の疲れや人間関係のストレスなどから、ホルモンバランスが崩れる人が少なくないでしょう。

低用量ピルには、ホルモンバランスを安定させる働きがあります。
これは低用量ピルの中に女性ホルモンが配合されていて、それによってバランスをコントロールすることができるためです。

にきび治療で用いられる低用量ピルは「一相性ピル」と呼ばれるもので、すべての錠剤に配合されている女性ホルモンの量が一定になっています。
これを毎日1錠ずつ服用するのが飲み方の基本です。

にきびを改善させるには、ホルモンバランスを安定させる必要があります。
そのため、効果が現れるまでは服用しはじめてから1?3ヶ月ほどかかるのが通常です。

ただし、ピルのようなホルモン剤は服用した際に副作用が現れることがあります。
万が一体調不良が続くようなら服用をやめ、医師に相談することをお勧めします。
女性にとって嬉しい効果があるとはいえ医薬品ですから、きちんとした効果を得るためには正しく服用することが最も重要です。